このページでは,判別式によってなぜ実数解の個数がわかるのか。単に覚えるのではなく,理解して覚えることで忘れたときにも対処できるようになりましょう。
判別式の公式をそのまま覚えている人はぜひ読んでみてください。
判別式とは?
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ において,判別式は
$$D = b^2 – 4ac$$
このとき,
① $D > 0 \ ならば \ 異なる2つの実数解をもつ$
② $D = 0 \ ならば \ ただ1つの実数解(重解)をもつ$
③ $D < 0 \ ならば \ 実数解をもたない$
なぜ判別式で実数解の個数がわかるのか
判別式の意味を理解しましょう。
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ において,判別式は $D = b^2 – 4ac$ でしたね。
この$\ b^2 – 4ac \ $どこかでみた覚えはありませんか?
(ヒント)
中学数学で習った公式を思い出してみてください。
その中に隠れているんです。
答えは解の公式のルート(√)の中です!
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0 (a \neq 0)$の解は
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$$
でしたね。
確かに,ルートの中が $b^2 – 4ac$ と同じになっています。
判別式というのは「解の公式のルートの中だけを考えて実数解がいくつあるか簡単に求めよう」というものなのです。
これを踏まえて,$D > 0,D = 0,D < 0$ について考えてみましょう。
① $D > 0$ のときルートの中が正の数なので,2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0 (a \neq 0)$の解は
$$x = \frac{-b + \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a},\frac{-b – \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$$
となり,解は異なる実数解が2つです。
② $D = 0$ のときルートの中が0なので,2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0 (a \neq 0)$の解は
$$x = \frac{-b \pm \sqrt{0}}{2a} \ = -\frac{b}{2a}$$
となり,解はただ1つの実数解(重解)です。
③ $D < 0$ のときルートの中が負の数なので,2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0 (a \neq 0)$は実数解をもちません。
まとめ
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ において判別式は$\underline{D = b^2 – 4ac}$で,解の公式のルート(√)の中だけを考えて実数解がいくつあるか考えているのです。
公式や定理など,単に覚えるのではなくなぜそうなるのか考えて理解した方が覚えやすいし使えるようになりやすいです。
他の公式や定理でもなぜと思ったら調べてみてください。
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